2021 August

 

 
 
今年もコロナに翻弄されているうにあっという間に上半期も終わり8月になる。会社の決算を控えて伝票の入力と長年溜まっていた写真データの整理という地味な日々が続く。外は灼熱の猛暑日、静かな事務所でひたすらPCに向かうのも悪くない。

 

   
 
 
毎年恒例、夏のアトリエ大整理が始まる。普段は忙しく「とりあえず」と箱に戻すのが精いっぱいのモノたち、年に一度の大整理。膨大な量の梱包材を前に早くもボーゼン自失・・・。

 

 
 
 
伝票や写真データの入力、アトリエ整理と殆ど事務所から出る事のなかった今週、外は40度を超える体感の猛暑日が続く。ようやく一段落で新幹線に飛び乗り軽井沢へ。夏休みだというのにホームは無人、新幹線もガラガラ・・・。

 

 
 
 
少し来ない間に我が家のお庭はレンゲショウマが花盛り。「自然の作り出す形にデザイナーは敵わない」といつも思う不思議な高山植物の姿。ツルの先に丸いぼんぼりのような蕾、パッと開く大きなお椀型の花弁が美しい。

 

 
 
東京では猛暑が続きとんでもない暑さの日々。軽井沢はさすがに避暑地、心地よい気候に思わず旧道までお散歩に行く。普段なら旧道のベーカリーやテニスコートで友人にバッタリ、こそ夏の軽井沢の楽しみだけれど今年も人は居ない。コロナ禍になり2度目の夏を実感する。

 

 
 
それでも変わらない軽井沢の姿は大きな癒しであり、久しぶりに閑散としたショーの教会を訪ねたり友人宅への道は楽しい。小川のせせらぎと鳥の声を聴きながら、軽井沢とは思えない巨大な工事現場に呆然とする。久しぶりの再会はこの話題で持ち切り、静かな軽井沢を壊さないで欲しいと切に願う。

 

 
 
友人とのお喋りは尽きず再び旧道のお散歩へ。昔ながらの小間物屋さんを覗きアンティークの食器や作家物の陶器を眺めつつマダムとひとしきり。ピーターラビットに出て来そうな雰囲気のこのお店、時々売っている有機栽培のお野菜も素晴らしい。

 

 
 
余りにも忙しく長い間アトリエと事務所に蟄居していたので、軽井沢の朝が殊の外うれしい。朝日の差すギャラリーで至福のコーヒータイム、外に出て澄んだ空気と森の匂いを楽しむ静かな朝。

 

 
 
 
子供の頃から毎年記念撮影をしていた「大もみの木」、私の名前は母の仕事から「紅絹」という漢字だけれど、よくこのモミの木から取ったのですか?と聞かれるくらい。苔むしたなだらかな丘とかすかな霧、森の妖精でも舞っていそう。友人との再会を祝い久々のツーショット。

 

 
 
夏の軽井沢恒例の骨董市、パリの蚤の市のような雰囲気が楽しい。フランスやイギリスのアンティークはもちろん、日本のヴィンテージ小物や漆器もあり興味深い。しかし今年はココも無人・・・。蚤の市は皆でワイワイごそごそしてこそ盛り上がるというもの、何だか怖くなって早々に引き上げる。

 

 
 
 
旧道に古くからあるパン屋さん、フランスベーカリー。ジョン・レノンもお気に入りだったこのお店、簡素でさりげない雰囲気が軽井沢らしい。旧道を歩く人々を眺めながら頂くコーヒーとアップルパイは夏の定番のお楽しみ。

 

 
 
 
今となっては懐かしい昨年の緊急事態宣言、街から魔法のように人が消えたあの頃・・・。近くに住んでいながら訪れた事の無かった公園には人が溢れ、夕方のバドミントンもすっかりルーティンに。

 

 
 
もう何度目になるのだろう?緊急事態宣言やその延長、最近は19時を過ぎると街は閑散、原宿ですらこの様子。イタリア食材の美しいお店「イータリー」に行こうと無人のエスカレーターを上ると18時閉店で驚く。神宮の森をバックにパブリックアートも寂しそう。

 

 
 
久しぶりに歩く表参道、ビルの一角が日本庭園になっていたり、ハリウッド映画のセットのようなパノラミックなエントランスのエスカレーター、新しいエルメスもチェックしてすっかりリフレッシュ。普通の日常が今では貴重な時間。

 

 
 
 
表参道も例外ではなく19時を過ぎると人も車も魔法の様に消える・・・。いつもは人混みに隠れて見えない欅並木が暮れて行く濃い青空に映えて美しい。この先どうなってしまうのだろう?

 

 
 
昨年4月、最初の緊急事態宣言中に始めたバドミントン。すっかり毎日のルーティンになり早一年、ガットも張り替えいよいよコートにデビュー。ネット越しにシャトルを飛ばす爽快感、もうマシントレーニングには戻れない・・・。

 

 
 
昨年4月、最初の緊急事態宣言中に始めたバドミントン。すっかり毎日のルーティンになり早一年、ガットも張り替えいよいよコートにデビュー。ネット越しにシャトルを飛ばす爽快感、もうマシントレーニングには戻れない・・・。

 

 
 
 
湯島の国立建築資料館に丹下健三展を見に行く。同じ敷地内に建つ重要文化財である旧岩崎邸は三菱財閥岩崎家の茅町本邸だった建物と広大な庭園、小雨の中静かに玉砂利を歩くのも風情があってなかなか素敵。

 

 
 
東京オリンピックで新種目として注目を集めたスケートボード、13歳の金メダルや自由な雰囲気のアスリートたちに新しい時代を感じた人も少なくなかったはず。子供の頃アメリカで夢中になった懐かしい思い出をもう一度、スケートボードショップを覗く。

 

   
 
 
今年のお盆は長く居座る低気圧による長雨と、収まるどころか感染爆発のコロナの影響で街は本当に静か。度重なる緊急事態宣言でとうとう観念したかのように人は外に出なくなったのか・・・。

 

 
 
 
先週までの酷暑がウソのように肌寒く梅雨のように延々に降り続ける雨・・・。一念発起して事務所とアトリエのレイアウト替えをスタート。採寸しては什器を移動、膨大な量の梱包材やディスプレイ用品でごった返すアトリエ。

 

 
 
 
猛暑日が続いた後は梅雨のような長雨、コロナの感染拡大も止まらず先の見えない夏。ようやく晴れた誕生日の今日、久しぶりに木場の現代美術館に横尾忠則展を見に行く。壮大な作品のコラージュに迎えられミュージアムショップの壁面も横尾忠則一色、膨大な作品数に圧倒される。

 

 
 
久しぶりに快晴の朝、昨日までの雨のせいかまだ涼しく快適な現代美術館の中庭。アンソニー・カロの野外彫刻を眺め、美しく光る水面が涼やかな半地下の遊歩道を歩くゴキゲンな美術館散歩。

 

 
 
 
1992年、日本で初めての個展以来お世話になっている桐箱やさん。職人さんの確かな技術に裏ずけされたマニアックなアドヴァイスにどれだけ助けて頂いたか・・・。新しくオーダーする桐箱のサンプルを採寸しながら久しぶりのお喋りも楽しい。

 

   
 
 
酷暑と長雨が続きすっかりご無沙汰のテラスライフ。ようやく涼しい快晴の夕方、久しぶりにアペリティフを楽しむ。パリではカフェのテラス席は一年を通じて人気だけれど日本の気候ではなかなか難しい・・・。

 

 
 
 
コロナの感染拡大は留まるところを知らず本当に怖い。打ち合わせは全てオンラインになり、外出は車で人流の少ない朝イチバンに限定。2019年の秋にリニューアルした渋谷PARCO、訪れる機会がないままコロナ禍となり初めて屋上庭園を歩く。変わりゆく渋谷を箱庭のように眺めつつ聳えるビルの谷間に吹く心地よい風、青空に浮かぶ雲に手が届きそう

 

 
 
 
現代美術館の横尾忠則展と同時開催の展覧会はパルコの8階。4階にはグッズを扱うショップも展開されココも横尾忠則一色。高校生の頃よく通っていたパルコ劇場、日比野克彦氏がデザインした舞台を観た懐かしい思い出が蘇る。

 

 
 
コロナ以前から人混みが苦手な私は場所と時間によって、無人のエリアを選んで生きて来たのかも知れない。週末のオフィス街はゴーストタウンの様に静か、見渡す限り無人の日本橋駅で日本橋の歴史絵巻を初めてゆっくり見る。ビルの谷間のポケットパークで快適な朝のコーヒータイム、まるでNYにでも居るよう。

 

 
 
コロナによってパリに帰れない不便さはもちろん、天然石の調達もままならない。取引先から新しい石を見せて頂く嬉しいお誘い。デザイナーの力など遠く及ばない不思議なパワーを感じつつ新作のイメージもふくらむ。久しぶりに触る冷んやりとした石の感触にも癒される。

 

 
 
お盆が明けると私たちの業界は早くもクリスマスモード。カレンダーの前倒しが年を追うごとに加速し、さすがに猛暑日でクリスマスは想像力の範囲を越えている。納品前の検品と箱の数揃え、お盆ののんびりした雰囲気から一変した日常。12月はまだまだ先のはず・・・。

 

 
 
酷暑の後は長雨、そして再びの猛暑。コロナ禍のオリンピックも何とか終わりパラリンピックが始まる。灼熱の上野、西洋美術館は改装中だけれどパネルの展示が面白く一つの展覧会の様。真っ白な囲いに目がハレーションを起こしそう。

 

 
 
 
昨年の緊急事態宣言以来、延々と続いている「整理生活」。21歳でパリに渡って以来駆け抜けて来た30年、膨大な資料と記録、写真やデータを前にボーゼンとした昨年。「千里の道も一歩から」をマイ・スローガンにひたすら続けて早一年、ようやく辿り着いた2010年からの一束。写真をチョイスするだけでも大変な日々、振り返ると軽く眩暈すらする・・・。

 

 
 
diary index コロナは収まる気配もなく、緊急事態宣言も延長されたまま8月も終わる。週末の早朝、サントリー美術館に日本美術を見に行く。静まり返ったミッドタウン、グルーミーな空と広大なお庭を眺めつつ来る9月に思いを馳せる。 page top

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